皆様ご承知のとおり、ネパールで大きな地震が発生し甚大な被害が報告されております。この事態に、ゲイリーC.K.ホアンRI会長は被災地支援を呼びかける声明を発表し、これを受けて、当地区の近藤雄亮ガバナーは地区内各クラブの会長に対して募金協力の依頼文書を発せられました。当クラブとしても、できる限りのご協力をしたいと思います。
まず、ネパールについて、にわか仕込みの情報をお伝えします。
正式名称はネパール連邦民主共和国。2008年に王制を廃止し、共和制に移行しました。東、西、南の三方をインドに、北方を中国チベット自治区に接する西北から東南方向に細長い内陸国で、世界最高地点エベレストを擁し、ヒマラヤ登山の玄関口としての役割を果たしています。面積は約14.7万平方㎞で北海道の約1.8倍とのこと。
2008年の推計で、人口はおよそ29,519千人、平均年齢は全体: 20.7歳、男性: 20.5歳、女性: 20.8歳、平均寿命は60.94年。
経済的には後発開発途上国で、農業を主たる産業としており、ヒマラヤ観光などの観光業も盛んです。
次に、今回の大地震による被害の様子です。
ネパール内務省の発表によりますと、4月25日に起きたマグニチュード7.8の地震や、その後の余震による死者数は5月17日までに、周辺国を合わせて8,700人を超えました。コイララ首相の記者会見によれば、死者のうち外国人は58人で、行方不明の外国人は112人に上るとのこと。同国の地震の被害としては過去最悪の犠牲者数を記録しました。
外国人の死者のうち1人は世界最高峰エベレストで起きた雪崩で亡くなった日本人男性とみられます。在ネパール日本大使館によると、行方不明とされる112人の中に今のところ日本人が含まれているとの情報はないとのことです。
大きな被害を受けた世界遺産の被害状況を把握しようと、ユネスコと現地当局が調査を急いでいます。貴重な文化財の盗難被害などは今のところ確認されていませんが、観光資源への影響は把握できていないのが実情です。仏英映画「リトル・ブッダ」の撮影地として知られるカトマンズ近郊の世界遺産バクタプルでは、地震で倒壊した石塔の前に「盗んではいけません」との注意書きがあり、盗難を防ぐため現地警察が掲示したとのこと。ユネスコ・ネパール事務所によると、文化財の盗難などの逮捕者は出ていないが、震災の被害が大きく、全容が把握しきれていない様子。カトマンズ盆地に7カ所ある世界遺産は、ネパール観光の「顔」ともいえますが、ネパール当局の担当者は「地震で世界遺産の90%が一部損壊もしくは壊滅した」と発言しています。掘り起こす作業が難航している文化財もあるといいます。
ネパールの経済規模は約2.4兆円、その1割を観光業が生み出しています。ちなみに、日本の国内総生産はおよそ500兆円といわれています。ホテルや飲食店を含むサービス業は国内総生産の5割以上を占める主要産業です。アジア開発銀行の横山謙一ネパール事務所長は「多くのホテルが震災後1週間は稼働せず旅行客は止まった状態。影響は大きい」と話しています。経済成長率への影響も懸念されるところです。
以上のように、現地は大変厳しい状況にあります。このようなときこそ、世界規模の奉仕団体であるロータリーの出番であります。私たち一人ひとりは小さな存在ですが、ロータリーを通じて被災地のためにできることがあります。どうかすべての会員が募金にご協力いただきますよう、お願い申し上げます。
今夜も楽しい例会になりますように。