本日は今年72歳、60歳を迎えられる方々に思いを語っていただきます。よろしくお願いします。
今年に入ってからサウジアラビアとイランが国交断絶となり、周辺諸国を巻き込んでいます。原油価格も1バーレル30ドル程度と低く、今後の景気に悪い影響を与えそうです。アメリカFRBも金利を上げ、新興国からの資金引き上げをもたらし、ドルが買われていますが、なぜか円に対しては下がっているようです。中国の調子が悪いので、株価も上昇する気配がなさそうです。証券会社のレポートでは今年は選挙もあるし、政府も黙ってはいないだろうから、このままでは終わらないと述べていますが、どうでしょうか?
こんな中、おそらく3月決算を迎える大企業は過去最高の利益を上げる所が増える見込みです。中小企業、零細企業はなかなかそんなところは一部でしょうが、全体としては売上は微増ないし横ばい、原価増で利益は減少という所が多いのではないでしょうか?シャープ、東芝といった大企業が粉飾決算を組んだことは皆さんご存知のことと思いますが、つい数年前まではこんなことになるなんて想像してなかったでしょう。世界と戦う企業の戦略を誤ると大きな損失を被ることになると改めて感じたことでしょう。
シャープは得意としていた液晶部品が韓国製品に圧されて、JDIに身売りするかもしれないし、とくに東芝は監査法人(新日本)も悪いけれど、担当者も会社社長の命令に背けなかったのですが、結果的には不正会計操作というとんでもないことをしでかしたわけです。例えば、建設関係者ならご存知の工事進行基準の原価の見積もりの甘さ、とくにソフトウェアの開発業務という外部からはわかりにくい部署の原価データを意識的に低くしていたし、在庫の評価損の先送りをしていたり、アメリカWHウエスチングハウスを始め幾つかの買収の際の暖簾、約1兆1500億円もの評価の減損処理が必要になるし、4000億円もの繰延税金資産も利益が見込めないと計上が認められないし、こんな状態で配当もこの6〜7年間で2300億円、執行役に業績連動報酬を7億円も出しているし、今後東芝はどうなってしまうのでしょうか?いまや大企業だからとか、有名だからとか、老舗だからとかいうのは全く企業の存続には無関係です。
このように利益がないのにあるように見せるのが粉飾、逆に利益を隠すことを逆粉飾といいます
後者のようなケースは税務調査の際にマークされるわけですが、会計事務所が行う監査も限度があるので、顧問先の処理をそのままにすることがあります。例えば外注費をどこどこに支払えば、それ以上先のことは追求しないのが普通です。勿論、外注費を支払う前の証憑書類は、金額の妥当性を判断しないといけないのでチェックはしますが、支払先の通帳まで調べるわけにはいかないことはお分かりだと思います。ましてや社長の各銀行の個人通帳まで調べることをしたら、顧問契約を解除されてしまいそうです。
個人の確定申告が来月から始まりますが、法人の税務調査もあります。確定申告が終われば税務署調査官のノルマが6月まであるので調査は続きます。対象となりそうな会社は注意して下さいね。