会長報告:今年次第27回 通算第1260回例会

今日午後からトヨタフォレスタヒルズでのIMのリハーサルに参加された京幸一君、鈴木章弘君、萩原幹事にはお疲れ様でした。本番もよろしくお願いします。
今日の卓話は昨年7月に入会された加藤卓司君です。今は亡き順弘さんの後継者として立派に頑張ってみえます。ロータリーも同様に頑張っていただきたいと思います。読書家でもあり、幅広い知識の持ち主で、適切な意見を述べられたり、例会時はいつも目をつむり、爪楊枝をくわえ、時々貧乏ゆすりをしていた順弘さんを思い出します。
さて、今日はロータリーの会費は費用になりかどうか?ということについて話します。
司法書士が必要経費に算入していたロータリークラブの入会金及び会費について争った平成26年3月6日の公開裁決があります。これによると、「事業所得の金額の計算上、必要経費が総収入金額から控除されることの趣旨は、投下資本の回収部分に課税が及ぶことを回避することにあると解されるところ、日常生活に於いて事業による所得の獲得活動のみならず、所得の処分としての私的な消費活動も行っている個人の事業主における事業所得の金額の計算にあたっては、事業上の必要経費と所得の処分である家事費とを明確にに区分する必要があり、それらを踏まえて所得税法第37条1項、同45条の家事関連費等の必要経費不算入所得税法施行令第96条の家事関連費の各文言に照らせば、先の所得税法第37条第1項の費用とは、単に業務と関連があるというだけでなく、その支出が業務と直接の関係を持ち、かつ、業務の遂行上必要なものに限られると解するのが相当であり、その判断は単に業務を行う者の主観的な動機、判断によるものではなく、当該業務の内容や当該支出の趣旨、目的等の諸般の事情を総合的に考慮し、社会通念に照らして客観的に行われなければならないと解される。
以上のことから、請求人が本件クラブの会員として行った活動を社会通念に照らして客観的にみれば、その活動は、登記、供託に関する手続きについて代理することなど司法書士法第3条業務、第1項各号に規定する業務と直接関係するものということはできず、また、その活動が司法書士としての業務の遂行上必要なものということはできない」としています。
個人的には納得できませんが、裁判所も個人というのは私的な消費者としての側面が捉えられ、全ての行動が事業者としてのものではないと判断されています。したがって、ロータリークラブの会費については必要経費にはならないということになります。
一方、法人税基本通達9-7-15の2に、「法人がロータリークラブ及びライオンズクラブに対する入会金又は会費等を負担した場合は次によるとして、<1>入会金又は経常会費として負担した金額については、その支出をした日の属する事業年度の交際費とする<2>それ以外に負担した金額については、その支出の目的に応じて寄付金又は交際費とする」とあります。
法人はよくて、個人はダメというわけです。このあたりは納得できない部分であります。
個人事業で必要経費として、個別対応、すなわち売上原価、総収入金額を得るため直接要した費用の額は問題ないのですが、期間対応、すなわち、その年の販売費及び一般管理費その他業務上生じた費用の額が、事業に直接の関連を有するかどうか、業務の遂行上通常必要な支出かどうか、その支出が業務を円滑に行うことを目的とするかどうか、という点に該当するかしないかが、分かれ目になるということですが、わかったようでわからないのが実感でしょうか?
シカゴロータリークラブの原点は、会員同士の業務上の利益を相互扶助することにあったわけですので、お互いに仕事上の付き合いはあるという前提だと思えば、会員同士は業務上の直接的な関係はあるはずなのですが、裁判所は理解してくれないのでしょうか?