ガバナー卓話

 皆さんこんにちは 。只今紹介いただきました片山主水であります。今年度ガバナーを仰せつかりました。よろしくお願い申し上げます。


犬飼年度に地区幹事として、お邪魔しました。10年程前のことです 。今日は公式訪問の機会を得まして 訪問させていただきました   このように歓迎いただきまして 大変有り難う ございます    只今は 40分ほど 会長・幹事の方々と懇談させていただき、   今年度の会長方針やら重点目標などをお聞きしましたクラブにおいて RIテーマに従い 地区方針に沿って 最善の活動を計画し  実行されていることを お聞きし      大変心強く感じました    有り難うございます さてこの公式訪問の短い時間のなかでガバナーがお話し・・ならないこと  が沢山あります。重要なお願い事項の 5項目について 核心部分 だけ 触れます  会長幹事さんに次回に皆さんに詳しくお話しいただくことを頼みまし                           ・・・・・・ ○1は ゲイツ財団ポリオチャレンジ      一人 1000円 3年間お願いするものです ○2 つ目は 会員増強です   当地区の各クラブの増強計画を集計しましたところ、          純増 316 人 ちょうど 6% です。    地区委員長は「チャレンジ6000」3年間で1000人増と   張り切っています。 ○ 3つ目は、地区大会が、この11月15日・16日に、             名古屋ウエスティングキャッスル において             小泉純一郎元首相 を特別講師に ○4つ目は 地区史のご購入です   当地区と2600地区とが1987年分離独立して   の予定です 1冊2000円ですので宜しくお願い申し上げます。    将来の会員分までご配慮のうえで・・・ ○最後ですが 来年6月に開催される世界大会バーミングハムに       実行委員長が日本の田中元理事です   なかなか行く機会のないところです どうぞ 無理のないところで大会開会式と本会議のRI会長スピーチ日本人朝食会と 分科会1つ 是非ともスケジュールの中に組み込んで いただくといいと思います
さて 触れずには済まされないのがRIテ-マ・強調事項  地区方針・  重点事項    ですが ガバナー補佐・会長の方々より 聞き及びですから・・・   簡単に触れます   RIテーマ は  夢をかたちに です・・・・   強調事項は・・・ 水保全 保健・飢餓救済 識字率向上   地区方針は・・・ 持続可能な前進!!   重点事項は・・・・4項目 1 ロータリーの目的の再確認                2 地区分区クラブの組織整備             ●○ 3 調和の奉仕                4 人的物的基盤の整備   主な説明                 不足補充 過剰削減 歪曲匡正    ○持続可能な前進!!   緩急変革    ○調和の奉仕     奉仕の内外において調和して奉仕を推進  「持続可能な前進」という言葉は 1972年ローマクラブが 将来的な世界人口の爆発的な増加と経済の急激な拡大は 食料生産・天然資 源に対し無制限ではありえず成長には限界があり これら諸要素の負の 遺産である地球環境の悪化はこのままでは差程遠くない時期に人類を死 滅に至らせるであろうと警鐘を鳴らした報告書「成長の限界」に源を有 しています この警鐘は全世界の人々に・世界人口の爆発的な増加と経  済の急激な拡大・食料生産・天然資源の有限性・地球環境への影響    の 項目そのものに注意するよう呼びかけただけでなく無策な世界の為政者に目を向けさせ 地球規模の対策を呼びかける  とともに 全世界の企業と人々に欲望の自制を呼びかけたものでした その後のリオデジャネイロの地球サミットなどで盛んに言われたのが  「持続可能な」という用語です。  「持続可能な前進!!」はこれにならうものですロータリーに心を ロータリーを心に ロータリーの心を・・・・・  というサブフレーズと共によろしくお願いします
さて 話すべきことは済みました これからは自由時間です どんな話で  も言い訳ですが ●◎ガバナーは公式訪問において感銘の深い・・・長年 ガバナーはこういう話を してくれるといいがなあ と思って いたことを 折角の機会ですから お話ししたいと思います それは ロータリーにこんな難しい話は どうもならん という話を   です  20分間したいと思いますもともと 公式訪問においては 先程言いました様に感銘深い・・ ・  それに 皆さんは 囚われの聞き手でありますから   退屈な話は禁物であります   しかし 感銘が深くしかも面白い話 それは私には荷が重すぎます   ただ一縷の望みが ないわけでもありません そんな錯覚が多少あるものですから 敢えて 難しい話しもする訳ですが 出来ても出来   なくても 今日は 皆さん 諦めていただく 今日は 重点事項のうちの 調和の奉仕 ということについて お話し・合わせて ロータリーの姿・形 を 図式 に書いてみたいと思う  この 調和の奉仕 の趣旨は    奉仕以外のロータリー活動と程よい調和の中で・・・・    奉仕の中でも 奉仕の分野においても奉仕の方法においても・ その                      バランスのとれた「調和の奉仕」の1は「超我の奉仕 彼我の奉仕 唯我の奉仕」の調和   です 奉仕の相互間での調和の1つです
皆さんご存じの通り○ ロータリーの奉仕には 「超我の奉仕」の理念に基づくいわゆる    社會奉仕と言われる奉仕の分野があります 社會的弱者に対する救済を主とした人道的奉仕・次世代育成活動等の分野です  超我の奉仕 というのは 滅私奉公 則天去私 というような  自分を 無 にしてする奉仕ではありません 自分の欲を少し小さく   ロータリーの奉仕は 少し自分の欲を小さくして    自分を越えよう という奉仕です  緩やかな奉仕です  ○ また これとは異なる考え方による分野があります最もいい奉仕をする者 最も多く報われる という考えによる    職業奉仕の分野があります   最良奉仕の最多果報 という考え・理論による職業奉仕の分野です  ○ロータリーの綱領は 何と言っているか「ロータリーの綱領は  事業の基礎として 奉仕の理想を 鼓吹し   育成・・」することにある と記載されています   文章が 簡潔に過ぎて 少し判りづらいですが事業の基礎として と書いてありますから   職業奉仕のことを言っている  ということです○ いわゆる社会奉仕 のことについては このところでは触れられて    いません   これが 事業の基礎として という語がなければ すなわちロータリーの綱領は 奉仕の理想 を鼓吹し・育成し・・と 書いてあれば 奉仕全部に言及している と考えなければなりません が わざわざ 有益な事業の基礎として 鼓吹しましょう と    いているわけですから 職業奉仕 のことを 言っている ・・・   と 解釈せざるを得ない  ○ 近年 RIは ロータリーの理念というのを加えました  ロータリーの理念ロータリーは人道的な奉仕を行い、あらゆる職業において高度の道徳 的水準を守ることを奨励し、かつ世界における親善と平和の確立に寄 与することを目指した、事業および専門職務に携わる指導者が世界的  に結び合った団体である。現実に ロータリーの奉仕といえば いわゆる社会奉仕が大きな奉仕 分野を占めていますから 社会奉仕に触れずにおけなくなって    そのような文章が出てきた訳でしょう  ○ しかし やはり問題は ロータリーの憲法である綱領に   一言も いわゆる社会奉仕について触れないということはロータリーで最も重要な文章だけに、その弊害は想像以上に大きいと いうのが、私の入会以来の第一印象であり、長年の思いです。  ○さて 職業奉仕とは 今言いましたように 最良奉仕の最多果報の   考えに基づいて 最良の仕事・サービスを提供するその職業の遂行   そのもであるということです    最良奉仕というのは 最善の努力により最上の質の サービス、   物であったり 無形の役務の 提供であったりしますこの質の中には物理的な質と倫理的道徳的な質 を含みますが    この最良のサービスを提供するまでの一連の行為が 職業奉仕です○ 付言しますが サービスの供給を受けるについては ロータリーは   何も言っていません 受ければその後 必ず提供がある筈ですからその時点でその一連の行為を問題にすればいい と考えているのでし ょう 私も 適正な対価で購入する というだけでいいのでは・・・  質問○「最良奉仕の最多果報」から「最良奉仕」へ 果報は金・心か⇒解消  ○ 「超我の奉仕」の「最良奉仕」の格差○最良の職業の遂行そのものが職業奉仕ということですから 考え方 としては難しくありませんが 難しいのは 質の向上 高い倫理水準   の保持の 実践です  ○物理的な質の向上のことは なにもロータリーがやらなくても
商工会議所・職業関連団体が一番適任ですからそこに任せておけば良   い ロータリーはそれを会員に声高に強調すれば良い・・○倫理の向上倫理基準の向上は まさにロータリーこそがやるにふさわ しい 敢えて言えばロータリーの専売特許であると思われるのであり   ます   世間の実状を見てもお判りのように この実践が    局面により 相当に 難しいのです
 自己奉仕・唯我の奉仕 ◎このような職業奉仕といわゆる社会奉仕という2種類の奉仕分野の外に私はもう1つの奉仕分野があるのではないか と思っています    これが 今日の話のポイントの1つです ○ 昔から 修身 斉家 治国 平天下     と言いますロータリーでも 外に向かって奉仕をしよう という前に  内に向かって 奉仕をする当の本人の 修身 人格修練 切磋琢磨    人間向上のこと がなければなりません   ロータリーも ロータリアンも 明確に     社會奉仕 職業奉仕 とともに   人間向上を 目的にしなければならない と思っています   皆さんも   自分を向上させたい 立派な人間になりたい      そういう人たちの仲間入りをしたい という願望があった   と思います   私にもありました社会奉仕 職業奉仕 に並んで 自己奉仕がなければなりません 明確に 人格向上・人間研鑽といいますか そういう自分自身を   高める 磨くことを 意識的に目的として掲げることが必要である   と思います○それに 社会のなかでも ロータリーの組織程 生涯教育、人間道場   に適している場はないと思います◎もともと ロータリーの奉仕の議論というのは 決議23-34に   言われていますように 我と彼 自己と他人 我利と他利   自分と自分以外の 利益の鬩ぎ合い 衝突 心の葛藤 の調整の議   論です まことに一つの人生哲学です    いつも「我」が 議論の 中心にあります ◎今 ロータリーの奉仕を「我」をキーワードとして 名付けるとすれば第一の分野は「超我の奉仕」 第二の職業奉仕の分野は自分も人様も 利益になる両利調和の奉仕 我を使用して 「彼我の奉仕」と言うこ   とが出来ます   第三の分野は 専ら自分個人のために努力を傾ける奉仕 名付けて   「唯我の奉仕」社会奉仕は 他利専一の奉仕 「超我の奉仕」の理念に基づく    職業奉仕は 両利調和の奉仕 「彼我の奉仕」最良奉仕の最多果報                  の実践倫理の原理に基づく   自己奉仕は 自利専一の奉仕 「唯我の奉仕」修身斉家の大原則に                  基づく◎何故 社会奉仕 と 個人奉仕の中間にあるか  趣味・健康・・・   ・会員全員各種多様な職業を営み、   ・社会と個人を繋ぐ一番太いパイプ・一番大きい接点は    職業をおいて外にない 訳ですし・職業の 成功不成功が 人の一生の幸不幸をほとんど左右するでは    ありませんか それほど 職業は人生において大きなウエイトを    占めています   そういう意味において職業奉仕が社会奉仕と個人奉仕との中間にあるのも頷ける訳です ロータリーが職業を問題にする意味も判ります   奉仕のなかにある この3つの我により表わされる 奉仕   「超我の奉仕」「彼我の奉仕」「唯我の奉仕」を試みに これを三我の奉仕と名付けますが 奉仕は 社会のために 職業繁盛のために そして 自分自身のために これをバランスよく   調和させなければなリません
 その2は 奉仕と親睦との 調和です   奉仕と奉仕以外のロータリー活動の調和です   ちょっと それますがロータリーソング に 我等の生業という 歌があります  我等の生業さまざまなれど 集いて図る心は一つ       求むるところは和らぎ睦び 力むるところは向上・奉仕   この歌は 高名な明治・大正時代の作詩高野辰之 作曲岡野貞一の手になるもので、二人とも教授でコンビで文部省唱歌 「ふるさと」   「朧月夜」「春がきた」「春の小川」「紅葉」「日本の旗」などを作っています この高名な二人に ロータリーは ロータリーソング   作詩作曲を 依頼したということに感心しますがこういう人の手になる歌だということになればまた違った目で見ます       我等の生業さまざまなれど       集いて図る心は   一つ         求むるところは  和らぎ 睦み  個々 個対他         務むるところは  向上  奉仕  個々 個対他   職業は多様 心は一様 対句になっています   求めて止まないものは 和らぎ睦み 心の平安と親睦だ   と言っています   しかし 義務として務めなければならないものは    人間向上と奉仕 だと 言っています和らぎ・睦みと向上・奉仕 のそれぞれの短い語句の中にも対比があ   ります    やわらぎ・心の平安は 個々人一人の心の問題    睦び、親睦は 人と人との間に生じる心の通い   次の 人間向上は当人一人のうちに向けた研鑽      奉仕は 人より他人との間の外向けの行為   対比 対句で格調高い 詩である ことが判ります   親睦 と 奉仕○ 会員同志の親睦の前には 心のやわらぎ(自分の心)平安を置き    外に向かう奉仕の前には まず自己の向上を 唱え    実に ロータリーの核心を突いています  この歌が言う この親睦と奉仕は 言うまでもなく   ロータリーを 支えている 重要な要素です   この2つの関係は 2本柱 と 言われますが   同質の 柱 ではないようです   2本柱 だとしても  1本は 縱に立つ 柱           もう1本は 横に土台部分に使われる土台柱です   また  ◎車の両輪に昔から例えます   両輪でも 左右の両輪ではなく前後の両輪です   ロータリーの目的の奉仕は前輪でハンドルに直結し 車の行き先を     に方向性を与え どこへでもロータリーを導きます   親睦は後輪でエンジンに直結し 活力を生み出し 車を動かします    一方の奉仕は クラブを導き    一方の親睦の方は下から押し上げる   2つは そういう関係でしょうそういう関係ですから 奉仕も親睦も 両方とも不可欠のものです   ある人は言います 親睦も目的ではないですか と  しかし そうではないと思います     まず 一つの理由は 今言いましたように親睦は 親睦の中から 奉仕の心を育み 奉仕の活力を生む もの そういう 位置付けのもの です 親睦自体はロータリーを    支えるものです 奉仕はロータリーを導く もの   親睦は楽しむものです 奉仕は楽しいものではありません 却って   苦しいもの 厳しいもの いやなものです   目的というものは元来そういうものですその代わり その目的を達成した時の 歓び・感激はまた格別のもの    奉仕は歓びを感じ 親睦は楽しみを味わうものです   歓びの精神状態は楽しみの精神状態より一段と高次の精神状態です
親睦は楽しみを味わい 奉仕は歓びを感じ ロータリーは生き甲斐の                   1つを 証するものですそんな訳で 親睦は奉仕と同様なロータリーの目的にまでは昇格でき    ません以上が 親睦と奉仕の関係 です この二つの調和が大事です  先程 言いました「調和の奉仕」の1つです 奉仕は奉仕以外の   ロータリー活動と調和しなければなりません。○ この間 公式訪問が済んだクラブの会長さんから電話がありまして     感銘深き・・・     バランスよく調和 と言っても どのような割合を言うか   答 具体的には 難しい が 奉仕6 親睦4 の割合かどんなにクラブの状態がよくても 7・3 は持続可能な前進・ 奉仕と親睦 2つが不可欠です 歓びと楽しみの 同行2人です   持続可能な前進の秘訣であります  ◎私が自分の頭のなかで整理した お題目の1つに   ロータリーの目的は奉仕であり、奉仕は親睦から生まれ、          親睦は出席より始まる     というのがあります    奉仕の下に 親睦・友情 があり そのまたその前提条件として例会・行事への出席・参加 が不可欠     であります     これを 先の三我の奉仕 と一緒にしますと 下記のような    図 が描けると思います勿論 私 の独断による ロータリーの形です ロータリーの姿   です    皆さんも 一度 自分の絵を 描いてみてください  ◎ 公式訪問の機会に難しい 話をさせていただきましたが     心の 整理が 一番大切 だと思うからです     また何かの 参考になればと思います    大変お疲れさまでした 一生懸命 聞いていただき有り難うござ    いましたクラブと会員皆様方の益々の ご健勝と ご発展を祈念しまして   終りとさせていただきます 有り難うございました